未来について考える
会社を始めてから早くも3年半が経過した。つまり、会社員をやめてから同じく3年半が経ったことになる。経営者になると、周囲の見方も少し変わると言われるが、実際にはどうだろうか。振り返ってみると、変わるべきは自分自身だと痛感することの方が多かった気がする。3年経っても、落ち着く気配は全くない。むしろ、試行錯誤の回数が増えていくばかりだ。毎日の選択の中で、少しずつ心が強くなっている気がする。正しい選択とは何かを考えても、答えは分からない。仮にその時の決断が間違っていたとしても、それを修正するしかない。ダメでしたという言葉で片付けることは甘くない現実だ。何度心が折れそうになったことか。文字を打ちながら、何を振り返っているのかと思うと、キータッチが早くなるのは、正直であることの証かもしれない。正直になればなるほど、大変な思い出も多いが、それが楽しかったりもする。目の前の現実が単純に見えても、感情が直結しないことも成長の証かもしれない。人は年をとっても成長を実感できるものなのだろう。ありがたいことだ。
会社を始めて最も変化したのは、時間の使い方だ。会社員時代の時間の使い方が残念だったと反省しても仕方がない。結局、立場が違うとしても、根本的な部分は変わらない。たらればで次の課題をつけるのは、あまりよくないことかもしれない。誰かの参考になれば嬉しいと思い、この記事を読んでる人に何か伝わってほしい。僕の場合は、子どもが生まれたばかりの時に起業した。妻が妊娠中に起業を決意し、生まれてから独立した。正直なところ、細かいことは記憶にないほどバタバタしていたが、おそらく些細なことでイライラしていた気がする。家族との時間を作る気持ちと、事業計画に向き合う毎日で、何を考えていたのか覚えていない。これが起業家のリアルだろう。常に感情が入り乱れるのも、起業家あるあるだろう。現在の自分は余裕があるわけではないが、家族との時間を心から楽しめるようになり、子どもの成長をリアルタイムで見られることに感動している。学生時代の思い出が色あせないのは、その瞬間に全力を注いだからだろう。目の前のことに全力を注げるかどうかがポイントだ。同じ時間を過ごすなら、より有効に使いたい。
4年目を迎えるにあたり、未来について色々と考えた。会社は誰のものか、という古いフレーズが頭をよぎったが、自分の小さな会社ならば、全員のものだという結論に至った。誰か1人でも欠ければ会社は行き詰まってしまう。小さなことからコツコツと、という言葉は何度も耳にするが、そこに意味があることを理解するには長い道のりだ。結果として、何度も議論を重ねて新しい方針を打ち出すことにした。正解かどうかはわからないが、進んでいく方向が正しいと信じて、努力したい。
未来を考えることは簡単なようで難しい。計画通りに進めばいいが、そうはいかない。難しいと感じるのは、進んでいくことが嬉しいはずが、進んでいくこと自体が不快だったりするからだ。感情の難しさがここにある。挫折や困難を乗り越えることが面白いのかもしれない。未来が明るく楽しい方向を見たいが、その先に自分の努力があるからこそ、その価値があるのだろう。自分勝手な生き物だと思うことがあるが、それでもいいのかもしれない。残りの今期、そして4年目も、考え抜いた計画を軸に頑張っていきたいと思う。